病気とEDの関係:糖尿病・心臓病・うつ病・腎臓病・高血圧・泌尿器の病気

病気とEDの関係 病気とEDの関係

糖尿病とEDの関係

「糖尿病」は血液中の糖分の濃度が高過ぎる状態が続く病気です。

最初は自覚症状がないため軽くとらえられがちですが、長い時間をかけて身体のあちこちに悪影響を与えます。

重症化した場合は失明や腎機能障害、手先や足先の壊疽などの重大な合併症を引き起こすこともあります。

また、糖尿病は「勃起障害(ED)」との関連性が高い病気の1つです。

糖尿病をお持ちの方や糖尿病薬を使用している方の割合は非常に多いです。

糖尿病の方で ED を合併している割合は、多数の論文に書かれている数字によれば、糖尿病男性患者の3人~2人に1人は ED の自覚症状が見られるとのことです。

自覚していない人も入れると、その割合はもっと高くなるでしょう。

糖尿病の方の80%が”ED”

糖尿病の方の80%が ED を合併しているという結果もあるほどです。

正常な勃起のためには脳や神経、海綿体、血流などが問題なく機能する必要があります。

糖尿病性 ED は、下記にあげるような複数の問題が組み合わさって発症する場合が多く見られます。

神経障害

勃起は、脳で感じた性的刺激が陰茎に伝わることによって起こりますが、糖尿病によってその神経回路に障害が生じやすくなります。

海綿体の機能不全

「平滑筋の弛緩」も勃起に必要不可欠です。
しかし糖尿病により、海綿体動脈などの内皮細胞において「内皮型一酸化窒素合成酵素」(eNOS)の活性が低下することで、弛緩が起こりにくくなります。

糖尿病とED

心臓病とEDの関係

心臓病にもさまざまな疾患がありますが、主に ED との関連性が高いのは、狭心症や心筋梗塞などの「虚血性心疾患」です。

平成20年の厚生労働省の調査によると、虚血性心疾患の患者数は80万8千人も存在しています。

狭心症や心筋梗塞は、何らかの原因によって心臓に酸素を送り込んでいる冠状動脈がふさがれ、心筋が血液不足になることで起こる病気です。

狭心症では一時的な虚血ですが、心筋梗塞では冠動脈に血栓がたまり、完全に血液の流れが遮断されてしまいます。

放置しておくと細胞が壊死し、そのまま突然死につながるおそれがあるため、発作が起きた場合は一刻も早い処置が必要です。

冠状動脈がふさがれる原因としては、動脈硬化によって内腔が狭くなることが大きな原因の1つです。

虚血性心疾患と ED の関係

虚血性心疾患を引き起こす前段階として、「冠状動脈狭窄」があります。

心臓の周りを囲むように存在する冠状動脈が、アテロームやプラーク(脂肪や細胞の死骸などでできた付着物)などによって狭くなり、血液の流れが悪くなった状態です。

これが進行すると、心臓に十分な血液と酸素が運ばれなくなり、虚血状態となって狭心症や心筋梗塞などにつながります。

心臓病とED

うつ病とEDの関係

うつ病や双極性障害などの気分障害の患者数は2008年の厚生労働省の推計で100万人を突破するほどの規模になっています。

その後若干減少傾向にあるものの、医師の治療を受けていない潜在的な患者数は相当に多いと考えられています。

うつ病と ED の関連性は、1970年代後半ごろから指摘されていました。

1990年代後半には、ED 患者ではうつの有病率が、非 ED 患者と比べて2.6倍であるとの報告もされています。

うつ病は、双方向に関連しあっています。

ED には大まかに分けて、

  • 身体的な機能不全からくる器質性 ED
  • メンタルに起因する心因性 ED
  • 器質性 ED と心因性 ED の混合性 ED
  • 特定の薬によって引き起こされる薬剤性 ED

がありますが、うつ病の場合は、そのいずれ の可能性もあることが分かっています。

うつ病では、その名のとおり憂鬱な気分になり、何事にも意欲がわかなくなります。

意欲の減退はそのまま性欲減退にも繋がり、ED につながることがあります。

心因性 ED の代表的な症状といえるでしょう。
加齢や病気などによる動脈硬化が進行していない若年層でも見られ、ED の原因となる器質的な原因が見つからない場合があります。

勃起は、性的な興奮が脳から陰茎に伝えられることで起こりますが、うつ病などで性的刺激を脳が十分に感じない場合、脳からの性的刺激が伝わらず性器海綿体動脈が拡張せず、勃起に至りません。

多くのうつ病の場合でも、バイアグラをはじめとする PDE5 阻害薬は、血管拡張作用により血流が増加し、効果が出ることが多いです。

しかし、強い抑うつ気分を認める場合や次のように特定の向精神薬などを服用している場合には効果が十分にでないこともあります。

うつ病とED

腎臓病と ED の関係

腎臓機能が低下すると、老廃物の排出が不十分となります。

症状が悪化すると、人工的に排出する「透析」をおこなう必要がありますが、透析を受けている男性の方では、半数以上の方が ED を発症しているともいわれています。

慢性腎臓病

年齢に応じて発症頻度も上昇し、60代の男性透析患者では、約80パーセント近くが ED 症状を呈するとの報告もあります。

慢性腎臓病 (CKD: Chronic Kidney Disease ) は、慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症、間質性腎炎などが原疾患となることが多く、

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 高脂血症
  • メタボリックシンドローム
  • 加齢

など様々なことが発症や病状進行の原因となります。

自覚症状は病状が進行するまでほとんどないのが一般的です。

そのまま気が付かず病状が進行すると、最終的には末期腎不全となり、人工透析が必要になります。

人工透析を受けるまでになると、血管障害や神経障害、内分泌(ホルモンバランス)障害や貧血など、 腎臓が担っていた役割が途絶えたために、多様な症状が発現します。

これらが複雑に絡み合って、ED を発症すると考えられます。

進行した慢性腎臓病では腎臓での十分な血液のろ過が出来ず、不要な成分が血液中に過剰となることや、血圧のコントロールが悪くなることなどによって、血管壁が傷つけられやすくなり、動脈硬化が起こりやすくなります。

陰茎動脈は非常に細いことから、動脈硬化の影響を真っ先に受けやすいため、ED の発症につながります。

腎臓病と ED

高血圧と EDの関連性

高血圧とは
高血圧症は「血圧が正常範囲を超えている状態が継続する」疾患であり、年齢が上がるにつれて発生する割合が高くなる病気です。

2008年に行われた厚生労働省による「患者調査」の概況によれば、高血圧の患者数は合計796万7,000人。 その内訳は男性334万人、女性464万3,000人となっており、男性、女性共に多いことがわかります。

高血圧には自覚症状がない場合も多々ありますが、さまざまな別の疾患を引き起こす病因にもなることから、注意が必要とされています。

高血圧症と ED の関連の研究は海外で盛んに行われています。 論文によると、高血圧症を患う人が ED を発症している確率は27%から68%。研究ごとにかなり幅はありますが、高血圧と ED の因果関係は研究者の中では周知の事実であるようです。

高血圧の治療をされている方も多く、糖尿病と並んで、 ED 発症の大きな原因の一つと考えています。

血圧を制御する高血圧治療薬

高血圧症に対してよく使用される薬として、

  • 「利尿薬」
  • 「カルシウム拮抗薬」
  • 「β遮断薬」
  • 「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」
  • 「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」

があります。

これらの薬の副作用で ED を引き起こす可能性もあり、注意が必要です。

高血圧と ED

泌尿器の病気と ED の関係

泌尿器の病気のうち、特に ED と関係が深いのが、「前立腺の病気」と「包茎」です。

「前立腺肥大」

前立腺の病気は「前立腺肥大」など、男性では加齢によって誰もが経験する症状です。

この前立腺の病気が ED を引き起こす原因のひとつとなっていることが分かってきており、男性にとってはいいニュースではありませんね。

またこの前立腺の外科的手術を受ける際にも、十分に注意が必要です。

骨盤内の手術によって勃起に関わる神経が傷ついてしまうと、術後、まったく勃起出来なくなってしまうということもあるのです。

包茎

泌尿器の病気でもうひとつ ED と深く関わっているのが、「包茎」です。

包茎の場合では、物理的に ED を引き起こす場合がある他、包茎である自分の性器を、女性に見られたくないというコンプレックスが原因となってきます。

それぞれの疾患と ED の関係を1つずつみていきましょう。

前立腺肥大症

男性の泌尿器に関する病気の中でも、特に多いのが前立腺肥大症です。

通常は栗の実ほどの大きさである前立腺が加齢とともに肥大化する症状で、40歳ごろから始まり、軽度の前立腺肥大を含めると、日本人男性の60歳では6割、80歳以上では8割以上の人に見られる加齢による症状です。

前立腺は泌尿器としての機能もあるほか、「前立腺液」という精液を構成する成分の1つを分泌する生殖器としての機能も持っています。

そのため本来なら前立腺は、生殖に適した年齢を過ぎたあたりから萎縮するのが通常だったのですが、戦後から栄養状態が良くなったためか、逆に肥大化する男性が増えています。

排尿障害

前立腺は、中に尿道が通っているため、肥大化すると、中を通る尿道が圧迫されるため、さまざまな排尿障害が出るようになります。

  • 頻尿
  • 残尿感
  • 排尿痛
  • 尿の出が悪くなる「尿線細小」
  • 尿が飛び散ってしまう「尿線分裂」
  • 尿意に悩まされるようになる「尿意頻拍」

などです。

下部尿路症状(LUTS)

また重症化すると、尿が出なくなってしまう「尿閉」につながることもあります。

こういった症状を総合して「下部尿路症状(LUTS)」といいます。